特定行政書士の研修と考査について、ついでに大学時代の授業の思い出

 ブログをしばらく更新できなかった。

 実は、8月4日から7日まで「特定行政書士法定研修」の講義に参加し、10月4日の考査日に至るまで、行政法の勉強に忙殺され、他の事には全く手が回らなかったのである。

 この歳になって、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、要件事実などに悪戦苦闘しながら取り組んでみたが、つくづく集中力の欠如と記憶力の衰えを痛感することとなった。

 

 この間、いろいろな学者の本を読むことになったが、塩野宏氏と橋本博之氏の著書が特に参考になった。とりわけ塩野氏の「行政法Ⅰ」(有斐閣)は、必要な部分だけ読んだのだが、その重層的で含蓄に富む文章と読み筋の深さにほとほと感銘した。また学習の合間に、遥か昔の学生時代をしばし思い出した。大学時代の行政法の授業は確か、東北大学からの出張講義の柳瀬良幹教授ではなかっただろうか。柳瀬教授は、当時のわがN大学で憲法を講義されていた菅野喜八郎先生(後に東北大学教授)の師匠であったはずだ。当時のN大学の教授陣は、東北大学法学部からの出張講義が多く、刑法の木村亀二教授、民事訴訟法の斉藤秀夫教授など錚々たる陣容であった。それはつまり、情けないことに、N大学ではプロパーの教師に事欠いていたことの証左でもあった。

 

 今度の行政法の学習により、われわれは毎日毎日、無数の各種行政法令や規則、あるいは条例が網の目のように張り巡らされた管理的な環境の中で仕事をし生活を送っていることがよく分かった。この世はまさしく官僚により限りなく統制された窮屈な社会である。10月5日から通知カードの配達の始まるマイナンバー制度がその一つの着地点であろう。

 

 webサイトでのプレ研修も、本番のビデオ研修でも、山田洋(一ツ橋大学)、橋本博之(慶応大学)、白藤博行(専修大学)の各氏の講義を聴いたが、管理者には橋本氏の講義内容が最も精緻で話術も優れていたように思えた。

 10月4日の考査の結果はどうであろうか。ここまでくれば、12月初めの結果発表までは待つしかない。

行政法1-- 行政法総論 第六版 解説 改正行政事件訴訟法