3月11日、この日は仕事を休み、昼に歯科医院へ歯の治療に行く。
帰りに近くの武蔵野市立図書館（中央図書館）へ初めて訪れ、気になっていた『移民の運命』（エマニュエル・トッド、藤原書店）を借りる。管理人の居住している市のいくつかの隣接図書館の中では、本書はここにしかないのを、各図書館のホームページで予め確認しておいた。図書館がたまたま歯科医院に程近い三鷹駅方面というのは幸いだった。
この本は、『新・戦争論』（池上彰・佐藤優、文春新書）で佐藤優氏が引用していているので知った。池上・佐藤両氏は、現代の語り部とでもいうべき存在で、現在進行形の国内外の諸問題を豊富な知識で分かりやすく、そして面白おかしく解説してくれる貴重な存在である。もっとも現実の世界は複雑系であり、実際こんなに分かりやすくはないのだが、まあ現代の講釈師とでも思って、肩肘張らずに楽しんで読めばいいのだ。
折角なので、『ハンナ・アーレント入門』（杉浦敏子、藤原書店）と、以前から読みたいと思っていた『イェルサレムのアイヒマン』（みすず書房、ハンナ・アーレント）を借りたが、果たして読めるかどうか。この歳になっても仕事が多忙で、読書に割く時間が少なすぎる。（ハンナ・アーレントについては、他にも代表作の『全体主義の起源』が同じ訳者で40年以上も前に出版されていて価格も高く、Amazonのレビューでどなたかが指摘しておられたが、〔訳の良し悪しは別にしても〕そろそろ新しい翻訳を考えたほうが良いのではないでしょうか、みすず書房さん！）
しかし、今日の話題は公園についてである。図書館から一旦家に戻り、その後久しぶりに近所の公園を訪れた。ここで、この公園を簡単に紹介してみよう。
わが家から徒歩3分のところに＜西東京いこいの森公園＞がある。管理人の日ごろの散歩コースでもあり運動場でもある。バス道路から公園入口へのアプローチ道路に足を踏み入れると、早くも桜が咲いているを見て感動した。桜花は常住日本人の心の琴線に触れるてくるので心憎い。
この通路には、＜かわづざくら＞と＜そめいよしの＞がほぼ交互に植えられていたが、咲いているのは＜かわづざくら＞で、＜そめいよしの＞はまだ蕾をつけて芽吹き始めている段階だった。
園内に入ると、沢山の桜＜おおかんざくら＞＜かんざくら＞＜やまざくら＞＜シュゼンジザクラ＞＜ようこうざくら＞＜じゅうがつざくら＞が散在していて、この内＜かんざくら＞だけが花をつけている。他はまだ蕾の段階だ。
また＜白梅＞＜紅梅＞が今を盛りと咲き誇っているのが印象的であった。
園内の主要な樹木には名札がつけてあって、管理人のような植物音痴には好都合だ。名札から拾ってみよう。
＜エノキ＞＜ケヤキ＞＜コナラ＞＜ベニしだれ＞＜ヤエベニしだれ＞＜コブシ＞＜エドヒガン＞＜こしのひがん＞＜ナンキンハゼ＞＜ハクウンボク＞＜イイギリ＞＜ハンカチノキ＞＜ヤマボウシ＞＜サンシュユ＞
他に、長崎の被爆クスノキの苗が育っている。
＜かたくりの花＞が育ち始めている区域にテープで囲われ保護されているのが目に付いた。
何回も訪れている公園だが、今回初めて気がついたのは、ここには、1955年～1997年までの43年間、＜東京大学原子核研究所＞があった場所とのこと。記念碑には、巨大加速器のサイクロトロンやシンクロトロンが建設された世界最先端の研究所であったと記されている。この公園の背後には、広大な東大農場・演習林が続いている。
またここには、武蔵野の面影を残す森や、自然観察池などもあり、いろいろな楽しみ方ができる。
近くの西武線のH駅から徒歩10分のわが家から、わずか徒歩3分の場所に、かくも自然あふれる公園を設置・管理している市当局の労苦に感謝したい。ちなみに、わが家から徒歩3分圏内には、この公園の他に、公民館、図書館、郵便局、病院、コンビニ、ファミレス、焼き鳥屋などがあり、生活に至便な恵まれたロケーションである。
