1月27日の読売新聞の夕刊を見て驚いた。
認知症 国家戦略を決定 初期支援 全市町村で
今、『認知症の真実』(東田勉著、講談社現代新書)を読んでいるが、著者がこの書を著したのは「認知症という曖昧なことばで、40代から100代までをひっくるめて病人にした厚生労働省の医療福祉政策に異論を唱えるもの」だが、本書の主張をそのまま裏書きするように、政府と厚生労働省などは又しても性懲りも無く病気増産キャンペーンに乗り出した。憂うべきことである。
東田氏が指摘するように、ここには認知症を新たな「国民病」にしようという政府と厚生労働省の思惑が見え隠れする。
かつて厚生労働省は、うつ病薬のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の普及をはかるために、大々的なうつ病キャンペーンを張ってきた前科がある。(SSRIとは、ブロザック、パキシル、ルボックス、デプロメール、ジェイゾロフトなど新世代の抗うつ薬のことである。)
今回の政府の国家戦略(新オレンジプラン)の正式決定は、厚生労働省、医学界、製薬会社、マスコミというシンジケートに対して、それぞれが目論む新たな果実を収穫できるよう、強力なお墨付きを与えたということだ。
「認知症」については、前掲の東田勉氏の本をもう少し読み込んだ上で、改めて詳しく検証してみたい。