NHK大河ドラマ「花燃ゆ」-残念!

 新しい大河ドラマの「花燃ゆ」は、今日(1月18日)で3回目だが、どうも残念な出来だ。もう次回からは見るのを止めようと思う。

 脚本が、井上由美子さんならまだ良かったが、そもそも作品のコンセプトに無理がある。井上真央さんがいくら頑張っても、この背景と役柄では目覚ましい活躍は期待できない、可哀そうに。杉文をヒロインにして吉田松陰をめぐる幕末の志士の活躍を描こうとしているのだが、ヒロインの活動の範囲が狭く、その視点だけから幕末の革命のうねりを捉えるのはそもそも無茶だ。多分いずれ文の視点を外れた場面が多く見られるようになるだろう。

 また、吉田松陰役の伊勢谷友介さんはミスキャストだ。松陰の役柄は、穏やかに見えて、内部に狂気を抱え、粘着力が感じられるキャラクターとして演じなければならない。伊勢谷さんは風采のいい男だが、さっぱりとし過ぎて、幕末の志士として内で燃えたぎるエネルギーを持った人物として演じられていない。松陰の突拍子もない行動とあまりにも懸隔があり過ぎる。

 松陰役としては、例えば、若い頃の松田優作さん、今なら長谷川博己さん、もう少し若ければ谷原章介さん、あるいはは堺雅人さんがふさわしいのではないのか。

 ヒロインであるはずの井上真央さんの役柄は、どんなに頑張っても所詮狂言回しでしかない。

 大沢たかおさんの小田村伊之助のような(重要ではあるが)あまり知られていない人物が、最初から主要人物として登場するのも興を殺ぐ結果となっている。

 


NHK大河ドラマ「花燃ゆ」