舊詩帖2

記憶喪失症 距離は距離を生み 日は距離の乗冪数 彼岸へ達するかと思われた なぜなら ああもうその輪郭がふるえ始め 風に吹かれてちぎれとぶ 記憶とはなんてあさましい奴なんだ と笑いたまえ 石ころを蹴りながら うつむきながら すばやく目測し計算する どこ…

マリア・グリンベルクのベートーヴェン・ピアノ・ソナタ

ベートーヴェンのピアノ・ソナタは、ずっとフリードリヒ・グルダの全集盤を、後期の作品はポリーニ盤を愛聴していたが、文春新書の『新版 クラシックCDの名盤』で福島章恭氏が推薦している<マリア・グリンベルク>の演奏をyou tubeでいくつか聴いて、情感…

<西東京いこいの森公園>早春の花便り

3月22日春分の日の今日、午後3時ころ、<西東京いこいの森公園>を散歩と軽い運動のために訪れる。 まず、桜の開花状態を見る。前回(3月11日)から11日目の今日、公園は花曇りめいているがしっかり日差しがあり、文字どおり春うららの情趣が横溢し…

新詩帖1

前回は20歳前後の、主として大学時代に書いていた詩を「舊詩帖」のタイトルで掲載したが、今回は比較的新しい詩(と言っても大部分が20年以上も前の作品だが)を「新詩帖」として載せてみる。鹿児島市に住んでいたころ書いたものが殆どだ。 今後も、この二…

舊詩帖1

先般新潟で、大学時代に詩を書いてきた友人たちと久闊を叙し、その後ささやかに酒を酌み交わしたが、帰郷して、篋底に眠る昔の詩稿をぺらぺらめくっていて、懐かしさやら何やらでに思わず胸苦しくなった。 1962年の詩稿がいくつか見つかったが、60年安…

二王子岳(新発田市)の新雪

3月15日の朝東京を出発して、昼ころ新潟県にあるJR白新線の西新発田駅に降り立つと、駅の東側に雪を被った山々が目に飛び込んできた。 陽に映える山々の真っ白な雪化粧は、明らかに昨日一昨日の夜に降ったばかりの新雪だろう。奥の方には飯豊山地が広がって…

<西東京いこいの森公園>に桜咲く!

3月11日、この日は仕事を休み、昼に歯科医院へ歯の治療に行く。 帰りに近くの武蔵野市立図書館(中央図書館)へ初めて訪れ、気になっていた『移民の運命』(エマニュエル・トッド、藤原書店)を借りる。管理人の居住している市のいくつかの隣接図書館の中で…

チャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」が心に響く

「イスラム国事件」や「ウクライナ紛争」などによる世界情勢の不安定化、そして何よりも「川崎・中一殺害事件」の衝撃、あるいは職場での業務上のさまざまな軋轢などで、わがか弱い脳髄は疲弊し切っている。今は言い知れぬ不安と焦燥の中で日を過ごしている。…

マイナンバー制度はあまりにも未成熟

マイナンバー社会保障・税番号制度 これが内閣官房がネットで公表している資料のひとつである。 本年10月1日より全国民に番号通知が開始され、いよいよ平成28年1月1日より番号法が施行、番号カードが交付されることが決まっている。 しかし、この制度はどう…

「炭水化物が人類を滅ぼす」夏井睦著(光文社文庫、'13.10.20)―合成の誤謬?

本書の初版は、2013年10月20日だが、糖質制限というテーマに限れば、2011年11月に出版された『主食をやめると健康になる』(江部康二著)と同工異曲の本である。なにしろ著者自ら江部氏の本を読んで糖質制限を始めた経緯から書き起こしているのだ。また、江…

佐藤優の新刊「世界史の極意」(NHK出版新書、'15.1.10)はコミックとして読めば問題なし!

本書も、冒頭からエリック・ボムズボームやフランシス・フクヤマや、(始めて聞く名前だが)アリスター・E・マクグラスなどの著書が引用され、煙に巻かれる。著者お馴染みの手法だ。 本書では「アナロジカルに歴史を見る」センスを磨こうということがキモと…

痩せる努力は果てしなく続く、ああ無情!(2)

(承前) そもそも小麦を食べない健康法を考えるとき、”グルテンフリー”(無グルテン食)などアメリカで流行している、いわゆる「除外ダイエット」(特定の食品や食品群を排除する食事療法)の一つだということを理解しておこう。 もともとグルテンフリーは…

痩せる努力は果てしなく続く、ああ無情!(1)

半年ほど前、『小麦は食べるな!』(Dr.ウイリアム・デイビス、日本文芸社)という本をweb siteで見つけて、これだ!と思わず膝を打ち、直ちに購入した。多くの深刻な疾患(*)と関わっている小麦の正体と、小麦を食べないことによる奇跡的な病気克服について…

イスラム国(IS)と『小さな王国』(谷崎潤一郎)とのアナロジー

本稿では、ロレッタ・ナポリオーニ氏にならって、アル・バグダディが率いる武装集団を、IS【イスラム国】と呼ぶ。ISISとかISILという名称を用いることもあるが(ホワイトハウス、イギリス首相官邸など)、ナポリオーニ氏の言うように、「『イスラム国』のほ…

リーダー研修資料

以下は、管理者の勤務している医療法人の事務部のリーダーの研修のためにまとめたものである。今まで読み学んだ本からの引用が多いが、みな長い歳月を生き延びてきた珠玉の言葉ばかりである。 先人に学ぶ人生の極意(組織における処世の知恵) <はじめに> …

政府の認知症国家戦略の真意は?

1月27日の読売新聞の夕刊を見て驚いた。 認知症 国家戦略を決定 初期支援 全市町村で 今、『認知症の真実』(東田勉著、講談社現代新書)を読んでいるが、著者がこの書を著したのは「認知症という曖昧なことばで、40代から100代までをひっくるめて病人にした…

日本のネット文化、匿名が当たり前は世界の恥(伊東乾氏)

1月26日のJBpressに、伊東乾氏(作曲家、東大准教授)が『イスラム国による人質殺傷事件を笑い話にするな!』というタイトルで、イスラム国人質事件に関連したいわゆる「コラ画像」(日本語ユーザーが2次的に加工した”コラージュ”)を強く批判した文章を掲載…

「最後の証人」(テレビ朝日・ドラマスペシャル)を見る

(以下の文章にはネタバレが含まれます。) 最近は、テレビの2時間ドラマを最後まで辛抱して鑑賞することができなくなった。脚本演出とも安易なものが多く、殆ど鑑賞に堪えないからだ。 ただ、1月24日夜の標記のテレビドラマには若干の期待があった。きちん…

かんだやぶそば

勤務している法人の厄払いのため、神田明神へお参りに行く。 正月も大分過ぎた雨降りの週日のためか、参詣客は閑散としていた。昨年はお参りをしなかったので、2年ぶりである。先ず職場中から集めた古札を納める。 職場では年初より難儀なことが続発している…

ニュースを何で見るか

今日の「夕刊フジ」で、経済評論家の山崎元氏が<経済快説>という連載で『スマホニュースの落とし穴』という記事を書いている。 山崎氏が授業を受け持っている私立大学で、学生に新聞を取っているかと訊いたら殆ど手が上がらず、ではニュースを何で見るのか…

NHK大河ドラマ「花燃ゆ」-残念!

新しい大河ドラマの「花燃ゆ」は、今日(1月18日)で3回目だが、どうも残念な出来だ。もう次回からは見るのを止めようと思う。 脚本が、井上由美子さんならまだ良かったが、そもそも作品のコンセプトに無理がある。井上真央さんがいくら頑張っても、この…

ブダペストSQとラ・サールSQのベートーヴェン後期弦楽四重奏曲

このところ、しばらくは音楽にあまり接しない生活が続いていたが、ふとしたきっかけで、ブダペスト弦楽四重奏団のベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集(ステレオ版)を買った。最初に、最も愛する作品131を聴き、その滋味あふれる、そして居住まいを正しくさせ…

無線ランを入れる

ずっと、EMOBILEの愛用者だった。 D22HW→GP02→GP06P ただ、ポケットwifiでは、月に7GBに達すると速度制限にかかり実に不自由だ。映画のダウンロードなどに手間がかかり過ぎる。また、wifiを利用する機器が、パソコン、EPSONプリンター、iPhone6プラス、iPad…

なんでもあり

これまで、<はてなダイアリー>で下記の2本のブログを立ち上げていたが、これからは特定のジャンルやテーマにとらわれず、守備範囲の境界線を外して、その時々に思ったことを自由に書いていくことにしたい。つまり<なんでもあり>だ。 <a href="http://…